【2024最新】インスタのステマとは?違法になる判断基準・対策方法を解説
インスタグラムで企業からPRなどの依頼を受けた際は、ステマ(ステルスマーケティング)に注意する必要があります。ステマ投稿にならないようにするポイントは、タイアップ投稿機能やハッシュタグを活用すること。本記事では、ステマとはどのようなものを指すのか、NG例やインスタグラムでの対策方法を紹介します。
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ステマ(ステルスマーケティング)とは
ステマとはステルスマーケティングの略。口コミやブログ・SNS上で、広告であることを隠して消費者に商品やサービスを宣伝するマーケティング手法です。消費者に気づかれないように販売促進をして自社の売上につなげます。
良い評判だけではなく、悪い評判や虚偽の情報を発信することもステマに該当するので、インスタグラムに投稿する際は意識しておく必要があります。
ステマの種類
ステマには大きく分けて2つの手法があります。知らずにステマ投稿をしてしまわないためにも、種類を知っておくことは大切です。
ステマの種類① やらせ(ギフティング)型
企業から報酬を得た芸能人やインフルエンサーなどの影響力のある人が、ポジティブな口コミを書くステマです。報酬を受け取った宣伝であるのにもかかわらず、PRであることは明記されていない投稿が該当します。この時の報酬とは、金銭や商品提供・無料でのサービス提供などです。
また、自分の感想ではなく決まった文言を指示されている場合も、虚偽の情報に該当するためステマになります。
ステマの種類② なりすまし型
商品やサービスを提供する企業が、一般人になりすまして宣伝するステマです。業者や関係者であるにもかかわらず、たまたま購入したと装って商品や体験したサービスに対して良い口コミを記事にしたり、SNSに投稿したりします。いわゆる「サクラ」のようなものです。
2023年からステマ規制が開始
ステマはこれまで違法ではありませんでした。しかし、SNSの拡大に伴いその影響力が見過ごせないものとなり、2023年から規制されることに。ステマ規制とは何か、ペナルティやリスクを紹介します。
ステマ規制とは?
ステマ規制とは、2023年10月1日に改正された景品表示法の中で定められた、ステマに対する規制のことです。これまでは有利誤認表示や優良誤認表示に当てはまらないステマは、不当表示として扱われなかったため規制対象ではありませんでしたが、改正後は規制対象になりました。
規制が始まった10月以降のSNSやブログの投稿内容だけではなく、9月30日以前に投稿したものも対象となるので、該当するものがある場合は修正が必要です。
ステマのペナルティ
ステマ規制に該当すると判断された場合は景品表示法第7条に基づき、行政処分としてペナルティ(措置命令)が課せられます。まず広告の依頼主である企業名が公開され、さらに2年以下の懲役または300万円以下の罰金刑が課されます。
これは広告を依頼してきた企業に与えられるペナルティで、ブロガーやインフルエンサーといった投稿者には課せられません。ただし、投稿者もステマに加担した人物として影響を受けるリスクがあります。
ステマのリスク
ステマが発覚すると、投稿者はフォロワーからの信頼を失うことになります。閲覧者は信じていた投稿者がやらせ行為をしていたことを知り、不信感や怒りを覚えるでしょう。また「ステマをした人」としてネット記事に残る可能性もあります。
SNSが発達している今だからこそ、炎上も避けられません。SNSは匿名で好きに自分の考えを書き込みできてしまうので、ステマをしたことに尾ひれがついて根も葉もない噂まで広がり、自分が予想もしない事態に陥ってしまうリスクもあります。
インスタグラムの投稿がステマに該当するかの判断基準
どのような投稿がステマに該当するのか、ステマ規制に触れてしまう投稿基準を紹介します。インスタグラムにおけるNG例やステマに該当しない投稿の具体例とともに見ていきましょう。
ステマ投稿の判断基準
<ステマになる投稿>
- 「PR」や「広告」といった表記がされていない、またはわかりにくい
- 依頼主や業者が投稿内容の決定に関与している
<ステマにならない投稿>
- 「PR」や「広告」といった表記が明確で、誰が見ても宣伝であることがわかる
- 企業からの依頼や謝礼を受けず、投稿者が自主的に投稿している
- 依頼を受けておらず個人的なおすすめとして紹介した後、企業から謝礼が送られてくる
NGな投稿例
以下のような投稿はステマに該当してしまうため、注意が必要です。
<NG例>
- 「PR」や「広告」の表記はあるが、「投稿者個人の感想」という表記が入り混じってわかりにくい
- 大量のハッシュタグの中に「#PR」を紛れ込ませている
- 「PR」や「広告」の表記が小さくてわかりにくい
- 長文の最後に広告であることが記載されていてわかりにくい
OKな投稿例
<OK例>
- 個人の感想があっても、「PR」や「広告」の表記が明瞭である
- 「#PR」の表記が大量のハッシュタグの中に埋もれていない
- 長文の最初に広告であることが記載されていて、PRなのがはっきりしている
これらを守れば、ステマだと勘違いされることなく投稿を見てもらえるでしょう。
インスタグラムでステマと思われない発信方法
閲覧者に不信感を抱かせないためには、インスタグラムの機能を活用してPRであることを明確にしておく必要があります。ステマと思われないインスタグラムの発信方法や対策を解説します。
タイアップ投稿機能を使用する
インスタグラムにはタイアップ投稿という機能があります。これは投稿内容が企業やブランドと連携していることを明らかにできる機能で、ブランドコンテンツとも呼ばれています。
<タイアップ投稿のやり方>
- 投稿内容を作成する
- キャプション入力画面下部の「詳細設定」から「タイアップ投稿ラベルを追加」をオンにする
- 「ブランドコンテンツパートナーを追加」を選択し、PR対象のビジネスアカウントを検索して追加する
- 内容の確認後、完了を選択する
ただし、タイアップ投稿はブランド側でも設定が必要です。
ハッシュタグで広告であることをアピールする
投稿を見ている人が、広告であると判断できるハッシュタグをつけましょう。ハッシュタグは一覧した時にはっきりと見てもらえる位置に配置することが重要です。ストーリーズでは文字が小さすぎたり、ぼやけたりしないようなフォントサイズと色味を選びましょう。また、広告であることが一瞬しか表示されないのはNGです。
適切なハッシュタグは「#PR」「#プロモーション」「#タイアップ」「#サービス提供」「#プレゼント企画」「#モニター」などです。
嘘の情報を発信しない
投稿を良く見せようと、商品やサービスについて嘘の情報発信や過剰な表現をしてしまうと、悪気がなくてもステマと疑われることがあります。閲覧者から「うざい」と思われるだけではなく、商品表示法に抵触してしまうかもしれません。
そうならないためにも、注目されたいと思う気持ちからオーバーな表現をするのではなく、正直な投稿やレビューを心がけましょう。
ステマを回避してインスタグラムの投稿を楽しもう
ステマは違法なだけではなく、フォロワーからの信頼を失うリスクもあります。企業からのインスタグラムでのPR依頼に疑問を感じた際は、断る勇気も必要です。正直な投稿を心がけていれば、より良い案件も来るようになりますよ。